建物の部位・設備の名前(図解)
修繕の見積書、退去の立会い、管理会社や工事業者との話でよく出てくる、建物と設備の名前を図にまとめました。図の番号を押すと、その言葉の説明へ移ります。印刷・PDFで保存して、現場に持っていくこともできます。
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1. 建物の構造(木造・鉄骨造・RC造)
建物の骨組みが何でできているかを「構造」といいます。登記簿や募集図面にも書かれていて、音の伝わり方・修繕の仕方・税金の耐用年数が変わります。
| 構造 | 見分けるヒント | 音・揺れ | 耐用年数(住宅用・税金) |
|---|---|---|---|
| 木造(ツーバイフォーを含む) | 柱・梁が木。アパート・戸建てに多い。壁を叩くと軽い音 | 上下・隣の音が伝わりやすい | 22年 |
| 軽量鉄骨造 | 薄い鋼材の骨組み。ハウスメーカーのアパートに多い。外壁はパネル | 木造に近い | 19年(鋼材の厚さ3mm以下)/27年(3mm超4mm以下) |
| 鉄骨造(重量鉄骨) | 厚い鋼材の柱・梁。3階建て以上の店舗付き住宅・ビルに多い。外壁はALCパネルが多い | 床はコンクリートが多く、木造より伝わりにくい | 34年(鋼材の厚さ4mm超) |
| 鉄筋コンクリート造(RC)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) | 壁・床がコンクリート。マンションに多い。壁を叩くと硬く詰まった音(間仕切りの壁は石膏ボードのことも) | 伝わりにくい。ただし上の階の足音などは伝わる | 47年 |
耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第一の住宅用の年数です。中古の建物の年数や償却費は建物の減価償却シミュレーションで計算できます。RC造には、柱と梁で支える「ラーメン構造」と、壁で支える「壁式構造」(部屋の中に柱の出っぱりが無い)があります。
2. 外まわり(屋根・外壁・雨どい)
- 1屋根やね
- スレート(薄い板状の屋根材)・瓦・金属(ガルバリウム鋼板など)がよく使われます。陸屋根(ろくやね)は平らな屋根で、マンションに多く、防水の層で雨を防ぎます。
- 雨漏りは天井のしみで気づくことが多いです。屋根の上は危ないので、点検は業者に頼みます。
- 2棟むね
- 屋根のいちばん高いところの線。スレート屋根では金属の「棟板金(むねばんきん)」でふさいでいます。
- 台風のあと棟板金が浮いたり外れたりすることがあります。見積書では「棟板金交換」などと書かれます。
- 3破風板はふいた
- 三角形の屋根の、斜めの端に付く板。風雨が屋根の中に入るのを防ぎます。
- 塗装がはがれやすい部分です。外壁塗装の見積書に「破風・鼻隠し塗装」とまとめて載ることが多いです。
- 4鼻隠しはなかくし
- 軒先(屋根の水平な端)に付く板。軒どいはここに取り付けます。
- 5軒・軒天のき・のきてん
- 外壁より外に出ている屋根の部分が軒、その裏側(見上げた面)が軒天(軒裏)です。
- 軒天のしみ・はがれは雨漏りのサインのことがあります。
- 6軒どいのきどい
- 屋根の雨水を受ける横向きのとい(樋)。
- 落ち葉で詰まると雨水があふれます。外れ・傾きは、雪や台風のあとに起きやすいです。
- 7たてどいたてどい
- 軒どいの水を下へ流す縦向きのとい。
- 8外壁がいへき
- 窯業系サイディング(板状の外壁材)・モルタル(塗り壁)・ALC(軽量気泡コンクリートのパネル)・タイルなど。
- 表面を触って白い粉が付く(チョーキング)・ひび割れが、塗り替えを考える目安です。
- 9シーリング(コーキング)しーりんぐ
- 外壁のパネルのつなぎ目(目地)や窓まわりのすき間を埋める、ゴムのような材料。図の点線が目地です。
- ひび・やせ・はがれは雨漏りの原因になります。見積書の「打ち替え」は古いものを撤去して新しく入れること、「増し打ち」は上から重ねることです。
- 10バルコニー(手すり・床の防水・排水口)ばるこにー
- バルコニーの床は雨水が下に漏れないよう防水してあり、すみに排水口(ドレン)があります。マンションでは共用部分で、住む人が使う「専用使用部分」です。
- 排水口に落ち葉やごみが詰まると、水があふれて下の階に漏れることがあります。入居者にも掃除をお願いしておくと安心です。
- 11笠木かさぎ
- 手すり壁やパラペット(屋上の立ち上がり)のてっぺんにかぶせる部材。
- 笠木のつなぎ目から入った水が、壁の中を伝って雨漏りになることがあります。
- 12水切りみずきり
- 外壁の下の端や窓の下に付く金属の部材。外壁を伝う雨水を、基礎や壁の中に入れずに外へ落とします。
- 13基礎きそ
- 建物を支えるコンクリートの部分。床下一面がコンクリートの「べた基礎」と、壁の下だけの「布基礎」があります。
- 幅の広いひび割れは、専門家に見てもらいます。
- 14床下換気口ゆかしたかんきこう
- 床下の湿気を逃がす穴。最近の建物は、基礎と土台の間にすき間を作る「基礎パッキン」で換気することが多いです。
- 物でふさぐと床下に湿気がこもり、カビや腐れの原因になります。
- 15サッシさっし
- 窓の枠と、ガラスを入れた戸のこと。アルミ・樹脂・アルミと樹脂の複合などがあります。
- マンションのサッシや窓ガラスは共用部分で、入居者や区分所有者が勝手に交換できないことが多いです(管理規約を確認)。
3. 室内(壁・床・窓・ドア)
- 1天井てんじょう
- 仕上げはクロス(壁紙)が多いです。
- しみは上の階や屋根からの水漏れのサイン。広がっていないか写真で日付を残します。
- 2廻り縁まわりぶち
- 天井と壁の境目に付く細い部材。最近は目立たない細いものや、付けない仕上げも増えています。
- 3壁(クロス)かべ・くろす
- 壁紙のこと。下地は石膏ボードが多いです。
- 国土交通省の原状回復ガイドラインでは、クロスは6年で価値が1円まで下がる考え方です。負担の計算は原状回復の負担計算で。張り替えは「1面単位」が基本です。
- 4巾木はばき
- 壁のいちばん下、床との境目に付く部材。掃除機などが当たって壁が傷むのを防ぎます。
- 見積書では「H=60」のように高さで書かれることがあります。
- 5床ゆか
- フローリング(木の床)・クッションフロア(CF。塩化ビニルのシート)・フロアタイルなど。
- CF は張り替えの単位が部屋ごとになりやすく、フローリングは部分補修ができることがあります。入居時の傷は入居時の室内確認・申告書で残しておきます。
- 6サッシ(窓枠)さっし
- 外まわりの15番と同じものを室内から見たところです。
- 結露を放っておいたためのカビ・腐れは、入居者の負担になることがあります(ガイドラインの考え方)。
- 7クレセントくれせんと
- 引き違い窓の、半月形の鍵。
- かかりが悪いのは、調整で直ることが多いです。
- 8網戸あみど
- 虫を防ぐ網を張った戸。網だけの張り替えができます。
- 9カーテンレールかーてんれーる
- 窓の上に付ける、カーテンをつるすレール。
- 10エアコンの配管の穴(スリーブ)すりーぶ
- エアコンの配管を外に通す壁の穴。使わないときはキャップでふさぎます。
- 入居者が持ち込んだエアコンを外したあと、穴がふさがっているか退去のときに確認します。
- 11引掛シーリングひっかけしーりんぐ
- 天井の照明の取り付け口。照明器具を電気工事なしで付け外しできます。
- 12ドア枠どあわく
- ドアのまわりの枠。
- 13丁番ちょうばん
- ドアを開け閉めするための金具(ヒンジ)。
- ドアがこすれる・閉まりにくいのは、丁番のねじの調整で直ることが多いです。
- 14レバーハンドルればーはんどる
- ドアの取っ手。丸いものはドアノブ。
- 15戸当たりとあたり
- ドアが壁にぶつからないように床や巾木に付けるストッパー。
- 戸当たりが無いと、ドアの取っ手で壁に穴があきやすくなります。
- 16スイッチプレートすいっちぷれーと
- 照明などのスイッチのまわりのカバー。
- 17コンセントこんせんと
- エアコン用・電子レンジ用などは専用の回路のことがあります。
- コンセントのまわりの黒ずみ(電気焼け)は、通常の使用による汚れとされることが多いです。
- 18住宅用火災警報器じゅうたくようかさいけいほうき
- 消防法で、寝室・寝室がある階の階段などに付けることになっています(場所の細かい決まりは市区町村の条例)。
- 交換の目安は10年といわれます。本体に製造年や交換時期が書いてあります。
- +上がり框・土間あがりかまち・どま
- 玄関の土間(靴をぬぐ床)と室内の床の段差に付く横木が上がり框です。
- +和室の名前たたみ・ふすま・しょうじ・しきい・かもい・なげし
- 敷居(しきい)は戸の下のみぞのある横木、鴨居(かもい)は上の横木、長押(なげし)は鴨居の上の飾りの横木です。畳は表替え(表面だけ)・裏返し・新調があります。
- 畳表・ふすま紙・障子紙は消耗品として、ガイドラインでは経過年数を考えない扱いです。
4. 水まわり・設備
- 1レンジフードれんじふーど
- コンロの上の換気扇。油を受けるフィルターが付いています。
- 掃除をしないことによる油汚れは、入居者の負担になることがあります(ガイドラインの考え方)。
- 2混合水栓(シングルレバー)こんごうすいせん
- 水とお湯を混ぜて出す蛇口。レバー1本で量と温度を変えるものをシングルレバーといいます。
- ポタポタ漏れは、中の部品(カートリッジ・パッキン)の交換で直ることが多いです。
- 3シンク・ワークトップしんく
- シンクは流し、ワークトップは調理台の天板です。
- 4止水栓しすいせん
- 水栓ごとに水を止める栓。流しの下や便器の横にあります。部屋全体の水は、玄関横のパイプスペース(メーターボックス)にある元栓で止めます。
- 水漏れのときは、まず止水栓か元栓を閉めます。入居時に場所を案内しておくと、被害が小さくすみます。
- 5排水トラップはいすいとらっぷ
- 排水管の途中で水がたまる部分(封水)。下水の臭いや虫が上がってくるのを防ぎます。
- 長く空室にすると封水が蒸発して臭いが出ます。空室の点検のときに水を流しておきます。
- 6コンロ(ガス・IH)こんろ
- 賃貸では、ガスコンロは入居者が持ち込む物件もあります。設備か入居者の持ち物かを契約書の設備表で確かめます。
- 7給湯器(リモコン)きゅうとうき
- お湯をわかす機械。本体は屋外やパイプスペースにあり、室内には温度を変えるリモコンがあります。
- 交換の目安は10年前後といわれます。リモコンにエラー番号が出たら、その番号を控えて業者に伝えると話が早いです。
- 8アンペアブレーカーあんぺあぶれーかー
- 電力会社との契約の容量(アンペア)を超えると落ちるブレーカー。地域や契約によっては付いていません。
- 9漏電遮断器(漏電ブレーカー)ろうでんしゃだんき
- 漏電を感じると電気を止めるブレーカー。テストボタンで動くか確かめられます。
- 何度も落ちるときは漏電の疑いがあるので、電気工事店に見てもらいます。
- 10安全ブレーカー(配線用遮断器)あんぜんぶれーかー
- 部屋ごと・コンセントの回路ごとに付いた小さなブレーカー。その回路で使いすぎると落ちます。
- +ユニットバス・エプロンゆにっとばす
- 工場で作った部品を組み立てた浴室。浴槽の側面のカバーをエプロンといい、外すと浴槽の下を掃除できます(外せない型もあります)。
- エプロンの中や排水口の髪の毛・汚れは、臭いや詰まりの原因になります。
- +トイレ(ロータンク・ボールタップ・温水洗浄便座)ろーたんく
- 便器の後ろの水をためる箱がロータンク、タンクに水を入れて止める部品がボールタップです。
- 水が止まらないのは、タンクの中の部品(ボールタップ・フロート弁)の不具合が多いです。温水洗浄便座が入居者の持ち込みかどうかも、設備表で確かめます。
- +24時間換気・給気口にじゅうよじかんかんき
- 2003年からの建築基準法の決まりで、住宅には常に換気する設備が付いています。壁の丸い給気口から外の空気を入れます。
- 給気口を閉めたままにすると、結露やカビが増えます。
- +洗濯機パン・洗濯機用水栓せんたくきぱん
- 洗濯機を置く受け皿(防水パン)と、ホースをつなぐ蛇口。蛇口は、外れたときに水を止める機能付きのものがあります。
- ホースの外れによる水漏れは下の階への被害になりやすいので、入居時に案内しておきます。
- +エアコン(室外機・ドレンホース)えあこん
- ドレンホースは、エアコンの中にたまった水を外に出すホース。
- 設備のエアコンか、前の入居者が置いていったもの(残置物)かで、修理の負担が変わります。契約書で確かめます。
呼び方は地域・会社・メーカーで違うことがあります。図は説明のための模式図で、実際の建物の形・寸法とは違います。「修繕・退去のとき」の欄は一般的な考え方で、負担の割合は契約書の内容と、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で個別に判断します。
「こんな欄がほしい」「計算が合わない気がする」「言葉が分かりにくい」など、一言で構いません。名前もメールアドレスも要りません。
改善のご要望を送る(1分)入居者の募集、家賃の滞納、退去の精算、修繕の進め方など、賃貸経営で困っていることをメールでお送りください。小さな不動産会社・開業したばかりの不動産会社からの、賃貸管理の進め方や書類についてのご相談も受け付けています。宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスターの資格をもつ担当者がお答えします。相談は無料で、管理の契約が前提ではありません。
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